大企と中小企の賃金の違い
大企業と中小企業の賃金評価制度の違い
大企業と中小企業の賃金
中小企業の賃金評価制度は、大企業と異なる視点で考える必要があります。
大企業 | 中小企業 | |
---|---|---|
1人1人の仕事ぶり | 社長は評価不能 | 社長が評価可能 |
評価の決定責任者 | 複数の部門長 | 社長 |
公平に評価できる範囲 | 一定のものさしに沿って | 具体的事実 |
評価の傾向 | 絶対評価 | 相対評価 |
賃金制度の要点 | 汎用性、一元性 | 会社の独自性 |
目標・目的 | 部門間不均等等の排除 | 業績向上、やりがい、育成 |
不可欠な過程 | 部門長の考課者訓練 | 会社が求める水準の明確化 |
賃金原資の考え方 | 予算 | 業績(付加価値) |
交渉対象 | 労働組合・部門 | 個人 |
チェックポイント | 労働構成(平均年齢、社員数等) | 付加価値労働生産性 |
中小企業の賃金制度設計
業種や企業文化にもよりますが、一般的には次のことを念頭に置くべきです。
大企業 | 中小企業 | |
---|---|---|
制度設計 | ある程度複雑にならざるを得ない (複雑な制度でも対応可能) | 専門職ではない社長と社員が 理解可能であること |
賃金テーブル | 資格等級表等の複雑な制度 昇給ピッチなど汎用性重視 | シンプルな等級(役割・責任) わかりやすい昇給減給のしくみ 付加価値と人件費総額の連動 |
設計の要点 | 一元管理 人事異動等に対応可能な制度 | 社長の考え重視 人を伸ばす |
賞与 | 総額原資のなかから、、 基本級×○ヶ月等をはじき出し、 プラスアルファは部門業績等で決まる | 賞与に回す原資は期中に決定、 分配の考え方は、初任者クラスと、 管理者クラスでは違う |
年俸制の導入等実績評価 | 課長等役職者クラス以上 | 主任クラス以上 |
昇給と減給 | 硬直性(※)の高さは避けられない | 柔軟性をもたせる必要がある |
(※)大きく昇給・減給になりにくい賃金システムを「硬直性が高い」と言います。
半年単位の範囲型年俸制
中小企業の賃金設計は「付加価値労働生産性(※)」を意識する必要があります
そのためには「会社の業績と賃金総額が相関すること」がポイントとなります
管理者に関しては「半年単位の範囲型年俸制」の導入をおすすめしています
会社の業績(売上高ではありません)と管理者の年俸は概ね連動することになります
(※)付加価値労働生産性=付加価値額÷従業員数ですが、わかりにくい場合は、売上高から外部購入費(仕入れや原材料費)を引いたものを従業員数で割った数値と捉えても結構です。