組織の力を変える効果制の原則
組織の効果性の原則
中小企業の社長に要求されていること
「立場が人を作るというのは本当だな」
大学の先輩で比較的大きな中小企業の後継者になられた方がいます。
「社長になった」と聞いてはいたのですが、十数年ぶりにお会いしたところ、私がよく知っている「社長のオーラ」をまとっていることに関心しました。
私にとってはひと目で「経営者」とわかる特有の迫力です。
会社員を続けている方と明らかに違うそのオーラのメカニズムはわかりませんが、おそらく責任、立場、多くの意思決定など背負っているものの積み重ねが出るものではないかと思われます。
社長の仕事
中小企業の社長はスーパーマン並みの仕事を要求されます。
- トップセールス
- 資金繰り
- 事業計画
- 投資案件の選別と意思決定
- 値付け、支払い、回収条件等
- 取引先との交渉
- 会社内部の問題
中小企業の場合、これらの多くを、社長ご自身が責任者としてこなしているケースが少なくありません。
しかし、それで儲かっていればまだいいですが、実際はその逆で、、
「やらなければいけないことは益々増えているけど、儲けは益々少ない」
というジレンマに悩まされているケースが少なくありません。
これらの多くを社長が関与しているようであれば、やがて儲からなくなるのは当然のことです。
それは「チームによるレバレッジ」が働いていない状態だからです。
企業経営の最大のポイントは、組織の力を活用し、小さな力で大きな産出を生み出す「レバレッジ」にあるからです。
アンドリュー・カーネギーが取り組んだこと
私が好きな経営者に、「鉄鋼王」と呼ばれたアンドリュー・カーネギーがいます。
裸一貫から全米一の富を築き、それをすべて公共の益のために使い切ったアンドリュー・カーネギーが、経営者として何を最重要視していたのか、
そのヒントがカーネギーが墓碑に記されています。
自分より賢い人達を自らの周りに集める術を知っていた者 ここに眠る
カーネギーの側近は口をそろえて、「カーネギーはマンパワーを使う才能をもっていた」と言います。
「人を寄せ、チームをつくり、チームのレバレッジを活用して大きなことを成し遂げる」というのです。
「強いチームでことにあたれば、何百倍、何万倍もの結果に結びつく」
その考えこそが効果性の高い経営に向けた教えだといえます。
高度経済成長期は、経営者の金、人脈、度胸で儲けが出たといいます。
しかし、昭和の経営手法は、変化が早く、よりスピード、知識、柔軟性、創造力が求められるいまに通用しないことは、ご承知の事実です。
いかに環境変化に順応する強いチームをつくれるか」 そこが最大のポイントになるでしょう。
ツールとノウハウ
強い組織をつくる、そのためのツールやノウハウは数多くあります。
しかし、何を使うか、それは会社の状況、社長のお考え、業種、組織文化等によって異なります。
ですから、実際に会社に伺い、社長とお会いして、相談しながら決めていきます。
ただし1点、はっきりと言えることがあります。
「自身の役割と責任についてマネジメントできる管理者を育てる」
そこが非常に重要です。
「社長の仕事がますます少なくなり、逆に会社はますます良くなる」ことにつながるのです。